IT業界の情報収集で日経クロステックを見ていますが、連載でフォローしていたのが『「ITオンチ」経営者への処方箋』です。著者はITコーディネータ協会の会長、澁谷裕以さん(現在は退任)です。
非常に読み易い文章で、ITで経営に貢献したいという自身の考えにも通ずるところがあり、連載を楽しみにしていました。
残念ながら連載は2022年6月で終了していますが、書籍の加筆内容が気になり、本を手にとりました。
残念ながら加筆は少なめでしたが、改めて読みながら考えたことを紹介します。
まずはプロセスから考えよう
私も普段の業務で実施しているプロジェクトマネジメントもプロセスを重視しています。
プロジェクトマネジメントの知識を体系化した「PMBOK」でも、立ち上げ/計画/実行/終結/監視コントロールの5つのプロセス群に分類しています。
なぜプロセスを重視するかというと、プロセス化することで再現性が生まれるからです。再現できれば属人化せず(特定のできる人でなくても)にプロジェクトや業務を回すことができます。
良いDXはビジョンから
DXは「経営」や「組織運営」に置き換えてもよいです。
実現したい未来、船での灯台のような目印となるものでしょうか。ビジョンがあれば、そこに向けて船を進めるために、何をすべきなのか・何が足りないのか明確になるはずです。
著者は行政トップや経営者が自らビジョンを描き、コミットすることの重要性を説いています。
DXは経営そのもの
昨今のDXブームにより、どこのIT企業も中長期計画でDXへの取り組みを歌い、DXと名の付いた組織を作り、DX支援をビジネスにしています。
またDXを実施するための「デジタル人材が不足している」という声が聞こえてきます。
DXという言葉がトレンドになっていますが、会社の実現したい未来=ビジョンを描き、デジタル技術(あくまでもビジョンの実現の手段であり、AIやクラウドありきではない)を使って、ビジョンを実現し、会社の変革を実施する、まさに経営そののものです。
最後に
連載していた内容をまとめた書籍ということもあり、本の結論がわかりにくいですが、タイトルの通り、DXへの取り組みやシステム開発は、デジタル人材や開発ベンダーが主体ではなく、そのオーナーである経営者や依頼元のビジネス部門が、ビジョンを持って主体的に取り組むことの重要性を伝えたかったのだと思います。
元となった連載は、日経クロステックの無料会員でも読めますので、気になった方はぜひ読んでみることをおすすめします。
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