ファーウェイ社のオーディオグラス「HUAWEI Eyewear」のレビューです。
オーディオグラスとは、メガネ型のウェアラブルデバイスのことで、音楽を聴いたり、ハンズフリーで通話すること可能です。
私は2022年8月に購入し、度付きレンズに交換して、主にランニング・サイクリングで利用しています。自分が好きなプレイリストやPodcastを聴いたり、イヤホンで耳が塞がったり、落とす心配が無くなったため、ランニングが快適になりました。
今回はホームページには載っていない実際の使用感、買うべきかをお伝えします。
- HUAWEI Eyewear、オーディオグラスの購入を考えている人
- 普段メガネをしているが、カナル型(耳栓型)イヤホンは遮音性が高くて怖い
- 新しいガジェット好きなメガネ愛好家
私がHUAWEI Eyewearの購入に至った経緯は、別記事をご参照ください。
実際の使用感
①見た目と質感
フレームはナイロン(プラスチック)製なので、高級感はなく、正直見た目は安っぽいです。

デザインは「ボストン」「ウェリントン」「ハーフリム」の3種類(私が購入したのは、OWNDAYSとのコラボモデルなので、微妙に形が違います)ですが、いずれもメガネでは定番のデザインなので、これといった特徴はありません。
実際の装着感ですが、スピーカーが搭載されている分、フレームが厚く重い(私の普段使いのメガネは21g、こちらのモデルは42g、通常モデルは36.8~38.8g)ので、普通のメガネより気持ち安定感があります。
また、重さのバランスの悪さは感じません。外出時に丸一日着けていても、疲れや痛み等は感じませんでした。

見た目については、友人宅での飲み会に着けていったのですが、オーディオグラスであることは全く気づかれず、普通のメガネと見た目は大きく変わりません。
②操作感(ジェスチャー)
本機ですが、アームをスワイプするなどのジェスチャー操作により、本体のコントロールが可能です。
デフォルトの操作は以下の通りです。操作方法は後述のアプリで変更可能です。
- 音楽の再生/一時停止 :どちらか一方のアームを2回タップ
- 音量の調整 :アームに沿って前方/後方にスワイプ
- 着信応答/通話終了 :どちらか一方のアームを2回タップ
- 着信拒否 :どちらか一方のアームを2秒以上長押し
実際の操作感ですが、2回タップはほぼ失敗せずに操作できていますが、スワイプはうまく反応しないことが結構ありました。具体的には反応がよいポイントで、サッと早めにスワイプすると反応しますが、ポイントをずらしたり、スワイプのスピードが遅いと反応しない感じです。
ちなみに音量調整の操作が成功すると「ポッ」と音が鳴りますが、音が小さくて分かりづらいです。
③音質
音質は比較的良好です。最初の印象は「思ったより良い音するな」でした。
手元の「Google Pixel Buds A-Series」と同じアプリ・曲で聴き比べてみましたが、流石に音の明瞭さはカナル型のPixel Budsに分があります。HUAWEI Eyewearは耳に掛けたフレームから音が鳴るために仕方がないかと思います。音質重視なら普通のイヤホンの方が良いです。
気になる音漏れですが、屋内の通常ボリュームの場合は、少し離れた相手にはスピーカーが鳴っていることは分からず、近づくと「何か音が鳴っている」と分かるレベルでしたので、大ボリュームで聴いたり、電車で真横に座ったりしない限りは大丈夫そうでした。
なお耳元を手で覆ったり、フードを被ると音が大きく聞こえます。一時的に大きい音で聴きたい場合に使えるかもしれません。
④マイク機能
通話機能があるので、アームにマイクも搭載されています。
実際にPCでのWeb会議、スマホでの通話で相手に聞こえ方を確認してみましたが、いずれも違和感なく聞こえるとのことでした。また少し声を小さくしても、相手に声が届いていましたので、十分に実用性はあります。
オーディオグラスのメリットとして、メガネとは別にヘッドセットの装着が不要であること、またハンズフリーなので、本機のマイクで会話しながら、キーボードで会話内容をメモすることもできます。
⑤バッテリー持ち
バッテリーの公称値は、音楽連続再生: 約6時間、連続通話: 約4.5時間となっています。
実際にフル充電の状態から、毎日1時間きっかりで、音楽を再生しながらのウォーキングで検証してみました。左が開始前、右が1時間後のアプリ上でのバッテリー残量です。
- 1日目 :100% → 88%(12%減少)
- 2日目 :88% → 69%(13%減少)
- 3日目 :67% → 48%(19%減少)
- 4日目 :47% → 26%(21%減少)
- 5日目 :26% → 6%(20%減少)
- 6日目 :6% → 0% ※49分でバッテリー切れ
日によってバッテリーの減り方に差があったものの、6日目50分近くでバッテリーが切れましたので、ほぼ公称値通りと言えそうです。
なお、バッテリーが切れる前に特段アナウンスはないため、突然切れます。ここはファームウェアで改善可能ならして欲しいですが、遠出のサイクリングなどの場合、途中で切れないように事前にフル充電しておく、モバイルバッテリーで途中で充電するなどの対応が必要です。
ちなみにバッテリー交換は、公式HPのサポートページを見ると、ファーウェイカスタマーサービスセンターに依頼すればできそうですが、まだ未実施なので交換できるかは不明です。今後実際に交換したら、記事をアップデートします。
⑥充電
メガネの充電は、付属の充電コンバータをUSB Type-C(付属なし)に接続して行います。

松の葉のように二又に分かれています。左右の区別はありません。
磁石が入っているので、アームの端に近づけるとカチッとくっつきます。コンバータは専用品なので無くしたり、壊さないように要注意ですね。

フル充電は85分(公称値)程度です。
実際に計ってみましたが、79分で満充電(コンバータのランプがオレンジ→グリーンに変わります)となりましたので、こちらもほぼ公称値通りかと思います。
充電時に気になった点としては、メガネ自体が軽いのでUSB Type-Cケーブルに重量がある場合や、ケーブルに少し引っ掛かると、簡単にメガネが引っ張られてテーブルから落下することがありました。スペースがある場所で充電すれば済む問題ですが、一応注意事項です。
⑦アプリ(HUAWEI AI Life)
「HUAWEI AI Life」は、ファーウェイ社のスマートデバイス(Eyewear以外にイヤホンのFreeBudsなど)を管理するためのアプリです。
HUAWEI Eyewearのデフォルト状態では、ジェスチャーによる「曲の切り替え(前の曲や次の曲への移動)」と「音声アシスタントの起動(後述)」ができないため、これらの機能を使う場合は、HUAWEI AI Lifeのインストールが必須になります。



Androidの場合、HUAWEI AI LifeはPlayストアからインストールできず、ファーウェイ社独自のアプリ配信プラットフォーム「AppGallery」からインストールが必要なため、人によっては抵抗があるかもしれません。
アプリでできることは至ってシンプルで、「ダブルタップ」「長押し」「スワイプ」の各ジェスチャーに対して、動作内容を選択するだけです。



「音声アシスタントを起動」ですが、その名の通り、スマホの音声アシスタントを起動(Googleアシスタントなど)する機能です。起動後、そのままEyewearのマイクを使って「明日の天気は?」などのアシスタント機能を使用することができます。
ジェスチャー以外には、あいさつの受け取りと装着検出などの設定機能があります。



装着検出は精度が高かったです。あいさつはオンにしていると、装着時にスピーカーから「Good afternoon」などの時間帯に合わせたメッセージが流れます。
買うべきか
実際に買うべきかですが、以下の3つすべてに該当する人にはおすすめできます。
逆に1つでも該当しない方には合わないかもしれません。
普段からメガネをしている
本機の最大の売りは「普通のデザイン」で「度付きレンズにできる」ことだと思います。
度無しでも使用自体はできますが、であればバリエーション豊富な普通のメガネでよいかと思います。
利用シーンの想定がある
普段使いにもできなくはないですが、高級感・デザイン性はないため、メリットがありません。
そのため本機は「短時間の音楽再生・通話利用」が前提になると思います。
私の場合は、”耳を塞がず、安全・快適“にサイクリングとジョギングをする目的で利用しています。
当初はテレワークでも利用していましたが、バッテリーの持ちがよくない(音楽6時間・通話4.5時間)、充電が面倒なこともあり、Web会議はヘッドセット、音楽はスマホ再生でよいとの結論になりました。
利用シーンの想定がない場合は、「今のメガネ+ワイヤレスイヤホン」で十分ではないかと思います。
中国製品・アプリに抵抗がない
HUAWEI Eyewearはファーウェイ(中国本社)の製品です。
また購入時のままでもジェスチャー操作自体は可能ですが、個人的にはマストの「曲の切り替え(前の曲や次の曲への移動)」には、ファーウェイ社のアプリ導入が必須となります。
私は、長年ファーウェイ社のスマートウォッチ「HUAWEI Watch FIT」を愛用しており、別の同社製のアプリも利用していますが、問題なく使えています。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
私の場合は、HUAWEI Eyewearで自分が好きなプレイリストやPodcastを聴いたり、イヤホンで耳が塞がったり、落とす心配が無くなったため、ランニングが快適になりました。
レビュー時点(2023年5月頭)で次世代機の情報がないこと、OWNDAYSのコラボモデルは店頭・オンラインストアともに完売状態で、再入荷の情報もないので、現行モデルで終了となる可能性もあるかと思います。興味を持った方は早めに確保、レンズ交換した方がよいかもしれません。
HUAWEI Eyewearの最大の売りは「普通のデザイン」で「度付きレンズにできる」ことだと思います。そこにメリットを感じて、かつメリット・デメリットを踏まえた利用シーンを想定できる方には、おすすめできます。
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