PMBOKガイド第7版の変更点とは?

PMBOK第7版の活用の表紙 読書感想文

最近転職した会社の研修で、PMBOKガイドが第7版で大きく変わったという話を聞いて、キャッチアップしようと考えました。

本家のPMBOKガイドは、11,990円と高額かつページ数も多いため、第7版の変更点を簡潔に知りたいと思い、こちらの本を手にとりました。

よくわかる 最新 PMBOK第7版の活用

読みながら考えたことを紹介します。

第7版の変更点

第6版までは、主にウォーターフォール型のプロジェクトを対象にしていましたが、第7版では「アジャイル型」を追加した構成になっています。

アジャイルもウォーターフォールも開発手法の一つである、という考え方を採用して、共通した考え方やプロジェクト成功のポイントを抜き出したのが第7版になります。

最近参画した現場のプロジェクトでもアジャイル(スクラム開発)が増えている実感がありますので、この点は納得の変更です。

プロセスベースからコンセプトベースへ

PMBOKガイドの全体構成もプロセス(手順)ベースからコンセプト(概念)ベースに変わっています。また、第6版と第7版はいずれも2パート構成ですが、中身が大きく変わっています。

パート概要記載内容
パート110の知識エリアプロジェクトマネジメントを実施する際に求められる知識
パート25つのプロセスプロジェクトの開始から終了までの流れ ※時系列あり
第6版の構成

第6版では、プロジェクトの成功(=QCDの目標達成)には、5つのプロセスの各段階(時系列あり)で、10の知識エリアのマネジメントが必要であるとしています。

パート概要記載内容
パート112の原理・原則プロジェクトマネジメントの行動指針(心構えや考え方)
パート28つのパフォーマンスドメインプロジェクトマネジメントの活動領域 ※時系列なし
第7版の構成

第7版では、プロジェクトの成功(=価値実現)には、12の行動指針を意識しながら、8つの活動領域の各観点(時系列なし)で、考慮すべき事項を定義しています。

個人的には、コンセプトベースへの変更というのが、大きなインパクトがありました。

「ITTO」がデジタルコンテンツに

ITTOとは「Input(インプット)」「Tools and Techniques(ツールと技法)」「Output(アウトプット)」の略です。

第7版では、ITTOが簡潔にまとめられたことで、ページ数が大幅に減っています。その代わりに、『PMIStandards+』というサイトから、検索・参照できるようになりました。

PMI会員であれば、無料でアクセスできます。また月額8ドルのサブスクもありますが、内容は英語のみのようです(当方は非会員のため、中身まで確認できていません)。

最後に

いかがでしたでしょうか。

本書では、12の原理・原則の紹介は簡潔で、8つのパフォーマンスドメインにフォーカスを当て、「領域の概要と活動の目的」「活動のためのツールと技法」「活動結果の評価」の3部構成で詳しく解説しています。

私がPMPを取得した時点で、PMBOKガイドは第3版でした。第6版までにも変更は入っていますが、第7版ではプロジェクトの成功を『価値実現』であるとし、コンセプトベースのガイドに変わったことに大変驚きました。

今後も既存の知識をアップデートしていく必要性を強く痛感しました。

コメント

タイトルとURLをコピーしました